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グラフの色の使い方|おしゃれより見やすいダッシュボードを作る考え方

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公開日 2026/4/16

グラフやダッシュボードの色というと、「見た目を整えるもの」「おしゃれに見せるもの」と考えがちです。 ですが、実際に大事なのは、きれいに見えることよりも、読み手が迷わず内容を理解できることです。

色は、ただ画面を華やかにするための飾りではなく、読み方を誘導するために使うものです。

この記事では、グラフやダッシュボードの色を「おしゃれさ」ではなく「見やすさ」の観点で整理しながら、分類・強調・強弱の使い方を見ていきます。


色は「多く使うほど良い」わけではない

グラフやダッシュボードを作るとき、色を増やした方が情報が整理されて、見やすくなるように感じることがあります。

たしかに、色は目に入りやすいので、うまく使えば内容をすばやく伝える助けになります。ですが、だからといって、色を多く使えば使うほど伝わりやすくなるわけではありません。(参考:Tableau ヘルプ 視覚的なベスト プラクティス

むしろ、意味のない色が増えるほど、読み手は「どこが重要なのか」「この色分けにどんな意味があるのか」をその場で考えなければならなくなります。ぱっと見ではにぎやかでも、読む側に余計な負担をかけてしまうのです。

たとえば、同じような項目が並ぶ棒グラフで、1本ずつすべて違う色にしてしまうと、読み手は見にくさを感じます。これは、色が多い分だけ情報が増えたように見えても、実際には「何を見分けさせたいのか」がはっきりしないからです。カテゴリを分けたいのか、強調したい項目があるのか、それとも単に見た目を華やかにしたいだけなのかが曖昧になります。

見やすいグラフにするために大事なのは、色の数ではなく、その色に役割があることです。

カテゴリの違いを見分けてもらうための色なのか。見てほしい部分を目立たせるための色なのか。あるいは、数値の段階感を補助的に伝えるための濃淡なのか。先にここが決まっていれば、使う色は自然と絞られていきます。

「なんとなく寂しいから色を足す」「全部同じだと地味だから変えてみる」という使い方では、色は見やすさに貢献しにくくなります。グラフやダッシュボードでは、色は伝えたいことに合わせて意味を持たせるのが有効です。(参考:Tableau ヘルプ 視覚的なベスト プラクティス

そのため、色を使う時には最初に、このグラフで読み手に何を見せたいのか、を考えましょう。そこが決まることで、色は「おしゃれに見せるためのもの」ではなく、「見やすく伝えるための道具」として機能します。


まずはカテゴリの色分けに使うのが基本

グラフやダッシュボードで色を使うとき、まず考えたいのは、カテゴリの違いを見分けやすくするための色分けです。

色は、数値そのものを正確に読ませるというよりも、「種類が違うものだ」と直感的に区別してもらう場面で力を発揮します。(参考:Tableau ヘルプ カラー パレットと色効果

たとえば、商品カテゴリ、部門、地域、流入チャネルのように、「何の違いを見せたいのか」がはっきりしているときは、色分けがとても有効です。

同じカテゴリには同じ色を使うようにすると、読み手は凡例を何度も見直さなくても、「この色はこのカテゴリだ」と自然に理解しやすくなります。

このとき大事なのは、ただ色を分けることではなく、同じ意味には同じ色を使い続けることです。

たとえば、あるグラフでは「関東」が青なのに、別のグラフでは「関東」が緑になっていると、読み手はそのたびに頭の中で対応関係を組み直さなければなりません。1つのグラフだけ見れば読めても、ダッシュボード全体としては読みづらくなります。

1つのダッシュボード内で同じカテゴリで別の色を使う例

カテゴリごとの色ルールがダッシュボード全体でそろっていると、読み手は画面を見た瞬間に意味をつかみやすくなります。また、1つのダッシュボードだけではなく、他のダッシュボードを跨いでも、その色使いのルールが揃っていると、比較もしやすくなります。

ただし、カテゴリの色分けは万能ではありません。(参考:Tableau ヘルプ 視覚的なベスト プラクティス

カテゴリ数が増えすぎると、色だけでは追いきれなくなります。10種類、15種類と色を増やしていくと、それぞれの違いが分かりにくくなり、結局は凡例を何度も見返すことになります。色分けが役立つのは、「違いを直感的に見分けられる範囲」に収まっているときです。

私なら、まず5色以内に収まるかを見て、凡例と見比べる回数が多いなら、色数も多すぎると判断します。

カテゴリ分けで色を多用する/抑えるものの例

そのため、カテゴリが多いときは、本当に色分けが必要な分類だけに絞ることも大切です。

全部を無理に色で分けるより、見せたいカテゴリだけを残したり、上位だけを色分けしてその他をまとめたりした方が、結果として読みやすくなることがあります。

色の最も基本的で効果の高い使い方は、カテゴリを迷わず見分けてもらうための色分けです。

色を使う目的がはっきりしていれば、読み手は「分かりやすいな」と感じます。まずはここを基準にすると、色の使い方がぶれにくくなります。


強調したいときは、一部だけに色を使う

色のもう1つの大きな役割は、見てほしい部分を強調することです。

グラフやダッシュボードでは、すべての情報を同じ重さで見せたいわけではありません。今月の数字に注目してほしいのか、目標を下回った項目に気づいてほしいのか、など読み手に最初に見てもらいたい場所は変わります。

こうしたときに有効なのが、一部だけに色を使って強調する方法です。(参考:Tableau ヘルプ 視覚的なベスト プラクティス

全体を落ち着いた色でそろえたうえで、注目してほしい部分だけに目立つ色を使うと、読み手の視線は自然とそこに向かいます。色が視線の入口になり、「まずここを見ればいい」と伝えやすくなるからです。

たとえば、12か月の売上を並べた棒グラフで、今月だけ色を変える場面を考えてみてください。

すべての棒を別々の色にするよりも、他の月をグレーや淡い色にそろえ、今月だけを強い色にした方が、「今回見てほしいのはここだ」とすぐに伝わります。

棒グラフ中の今月に強調の色を使った例

同じように、KPI(重要な指標)一覧の中で目標未達の項目だけ色を変えたり、複数商品の中で注目商品だけを強調したりする使い方も考えられます。

ここで大事なのは、強調したいものを絞ることです。

強調は、全部を目立たせることではありません。むしろ、強調したいもの以外を抑えることで、はじめて強調が成り立ちます。

全部に強い色が使われているグラフは、一見にぎやかでも、どこを見ればよいのか分かりにくくなります。(参考:Tableau ヘルプ 視覚的なベスト プラクティス)色が多いほど目立つ場所が増えるように見えて、結果的にはどこも目立たなくなるからです。

また、強調のための色は、カテゴリの色分けとは役割が違います。カテゴリの色分けは「種類の違い」を見分けてもらうためのものですが、強調の色は「この中でも特にここを見てほしい」と伝えるためのものです。

この役割を混同すると、読み手は「これはカテゴリの違いなのか、それとも強調なのか」を判断しづらくなります。色を使う前に、その色が何のためのものなのかを決めておくことが大切です。

つまり、強調のための色は、他に色がないほど目立ちやすいです。見てほしい部分を絞り、そのために必要な場所だけに使うからこそ、色は強く働きます。色で目立たせるというより、色を絞って使うことで、見せたいものをはっきりさせるということです。


濃淡は、連続した数値の段階を補助的に見せる

ここまで見てきたように、色の基本的な役割は、カテゴリを見分けやすくすることと、見てほしい部分を強調することです。

一方で、色には濃淡によって、数値の強弱や段階感を補助的に伝える使い方もあります。

たとえば、地域ごとの売上規模の違い、月と曜日ごとの利用状況の強弱などを、一目でざっくり見たい場面です。

こうしたときに、薄い色から濃い色までを連続的に使うと、「どこが低く、どこが高いのか」「どのあたりが強く出ているのか」といった全体の傾向をつかみやすくなります。数字を細かく読む前に、まず強弱の分布が目に入ってくるためです。(参考:Tableau ヘルプ 動的なカラーレンジ

棒グラフで見る濃淡の例

濃淡は、密度マップ(地点の集まり具合を濃淡で見る地図)やヒートマップ(色の濃淡で値の強弱を見る表現)のように、値の強弱や分布の傾向を一目でつかみたい場面で役立ちます。(参考:Tableau ヘルプ 密度や傾向を表示するマップハイライト表の作成

たとえば、月×曜日の注文数を表に並べたヒートマップで、注文が多いところほど濃くすると、「意外と週末に集中しているわけではない」「11月の火曜日は特に注文が殺到している」といった傾向をすぐに把握しやすくなります。

ヒートマップの例

ただし、ここでの注意ポイントは、濃淡は正確な差を厳密に読み取らせるためのものではないということです。

また、濃淡はカテゴリの色分けや強調とは、役割が異なります。カテゴリの色分けは「種類の違い」を見せるもの、強調は「ここを見てほしい」と視線を集めるものです。

それに対して濃淡は、「同じ指標の中で、値の強弱や段階を感じ取ってもらう」ためのものです。

この違いを意識しないまま、カテゴリごとの色分けと濃淡を同時に詰め込みすぎると、読み手は「色の違いに意味があるのか」「濃さに意味があるのか」が分かりにくくなります。

たとえば、カテゴリごとに別の色を使いながら、その中でさらに濃淡もつけると、作る側は情報を足したつもりでも、見る側はルールを理解するのに手間がかかります。

カテゴリ分けと数値での濃淡を掛け合わせた例

色を使うときは、「今このグラフで伝えたいのは、種類の違いなのか、値の強弱なのか」を先に決めて、役割を混ぜすぎないことが大切です。

色を使う時には、まずはカテゴリの色分けや強調を押さえた上で、全体の段階感や強弱を補助的に見せたいときに濃淡を使いましょう。そうすることで、意味のある色使いになりやすくなります。

濃淡まで含めて考えるときも、色を増やすこと自体を目的にするのではなく、読み手に何を感じ取ってほしいのかを基準にすることが大切です。

「見た瞬間に意味が分かるグラフ」を作るために、色の他にもダッシュボードの見やすさを整理したい方におすすめの記事もあります。併せて読んでみてください。


まとめ

グラフやダッシュボードの色は、見やすく伝えるために使います。

基本になるのは、カテゴリを迷わず見分けるための色分けと、見てほしい部分を絞って伝えるための強調です。また、濃淡を使えば、連続した数値の大小や段階感を補助的に示すこともできます。

そのため、色を選ぶときに先に考えたいのは、「このグラフで何を見せたいか」です。

  • 種類の違いを見せたい → カテゴリで色分け

  • 一部だけ見せたい → 強調色を1か所だけ使う

  • 強弱をざっくり見せたい → 濃淡を使う

見せたいものが決まれば、このようにどこに色を使うべきかが見えてきます。

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minoRi

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