
データ分析の仕事に興味はあるけれど、職種名が多くて違いが分かりにくいと感じることはありませんか?
本記事では、データ分析に関わる5つの職種について私が調べたことを整理します。 読後には、自分が目指す職種の方向性と、最初に作ると良い成果物のイメージが持てるようになります。
【この記事で扱う職種】
データエンジニア
アナリティクスエンジニア
データアナリスト
データサイエンティスト
BIエンジニア
職種名の業務範囲は会社や組織体制によって異なるため、この記事では「成果物ベース」で整理します。※成果物=その職種が最終的に責任を持ちやすいアウトプット内容(例:データセット、レポート、ダッシュボードなど)
「やりたいこと」から職種を考える
各職種について簡単に言うと、次のイメージです。
データエンジニア:データを集めて・安定して使える形で届けたい
アナリティクスエンジニア:分析に使う「整ったデータセット」を継続的に作りたい
データアナリスト:意思決定のための分析・提案を出したい
データサイエンティスト:予測モデルも扱って価値を出したい(※予測モデル=入力データから予測値を出すための仕組み)
BIエンジニア:ダッシュボードを設計して、更新・運用したい
上の5行だけだとまだイメージしづらく、どの職種に興味があるかの見当がつかない人もいると思います。以下の簡易診断や比較表も見て、参考にしてみてください。
興味の方向性チェック
計5問で、あなたの「興味の方向性」を整理し、まず読む職種を絞るための簡易チェックです。ぜひやってみて、たどり着いた職種についての紹介を読んでみてください。
※これは適性診断ではなく、どの職種から読み始めるかの順番を決めるための整理ツールです。結果がしっくり来なければ、次の比較表から気になる職種へ進んでみてください。
Q1~Q4は、自分が思う選択肢に沿って進んでください。Q5は最後に考えて、YesかNoで出ていた答えに要素が追加されるかどうかが変わります。

5つの職種の比較表
入口の目安として、データ分析を行う工程の中で各職種が主に担当し、責任を持ちやすい工程について表にまとめました。
※◎:主に担当しやすい、○:よく関わる、△:場合/会社によって関わる
職種\工程 | 収集 | 整理 | 分析 | 視覚化 | 運用 |
|---|---|---|---|---|---|
データエンジニア | ◎ | ◎ | △ | △ | ◎ |
アナリティクスエンジニア | △ | ◎ | △ | ○ | ○ |
データアナリスト | △ | △ | ◎ | ○ | △ |
データサイエンティスト | △ | △ | ◎ | △ | △ |
BIエンジニア | △ | ○ | △ | ◎ | ◎ |
この表は工程で切り分けていますが、その意図は工程の傾向から「責任を持つ成果物の傾向」を推定して整理するためのものです。
※今回の表では前述した通り「その職種が主責任を持ちやすい工程はどこか」を示しています。そのため、会社の規模が小さい/データ組織が未成熟/兼務前提のチームだと、肩書きが何であれ、「収集〜運用」という工程の中で広く受け持つ場合があります。
なお、視覚化や運用の工程でよく使われるBIツールについて、「ExcelとBIツールは何が違うのか」が気になる方は、こちらの記事で初心者向けに違いと使い分けを解説しています。どの職種を目指す場合でも、知っておくと役立つ内容です。
ここまでで気になる職種の方向性が絞れたら、次のセクションの職種紹介でその職種から読んでください。まだ迷う人は、全体をざっと眺めてから気になったところに戻るのがおすすめです。
データ分析に関する5つの職種についての紹介
ここまでで、5つの職種のうち自分が特にどの職種に興味がありそうかの目星をつけられた人もいるはずです。ここからは、5つの職種の「仕事の範囲」「成果物」「スキル」に焦点を当てて紹介をしていきます。
以下は一般的な役割分担の傾向です。企業規模や組織成熟度によって担当範囲は重なることがあります。ここでは「成果物ベース」で整理します。
データエンジニア
一言で言うと、必要な人が取り出して使えるように、データを収集・整理・管理し、活用できる基盤を作り運用する人。(参考[1])
仕事としてやることの範囲は?
a. データを集める
b. 整理・加工して「使える形」にする
c. データを蓄積する場所(基盤)を用意する
d. 毎日/毎時などで動くように運用する。
成果物として作るものの例
・データパイプライン(ETL=抽出・変換・読み込み/ELT=抽出、読み込み、変換)
・データを貯める基盤(データベース/データウェアハウス/データレイク等)
・加工済みのデータ(分析チームが使えるテーブル/データセット)
必要なスキル
・必須:
データを「統合・変換・整理」して、分析に使える形にする考え方と実装力(=パイプライン/データストアを作って動かす)
・あると強い:
運用まで見据えた設計(性能・信頼性・監視)や、クラウド上で開発レベルの実装力
最初の一歩としてできること
・「毎日更新される1本のデータパイプライン」を作る。
例:
a. どこかのデータ(CSVでも可)
b. 変換(列名/型/欠損の基本処理)
c. 保存(データベースやデータウェアハウス等)
d. 同じSQLでいつでも取れる状態にする
アナリティクスエンジニア
一言で言うと、分析で使うための「整ったデータ」を、作る・テストする・説明書つきで渡す人。(参考[2])
仕事としてやることの範囲は?
a. 生データを「分析しやすい形」に変換(整形・結合・集計)
b. テストで壊れてないか確認
c. 仕様(定義)をドキュメント化
d. BIなどで使える「共通の土台データ」として提供
※1言で言うと「データチームの変換レイヤー担当」。
成果物として作るものの例
・分析用のデータモデル/データセット(定義・変換済み)
・データ品質テスト(自動チェック)
・ドキュメント(テーブルの意味、項目定義、計算ロジック等)
必要なスキル
・必須:
SQLでデータを整形・結合して「分析しやすい形」にする力
・あると強い:
・テスト・ドキュメントなど、変更に強い運用
・BIツール連携や、利用者が迷わない「定義のすり合わせ」
最初の一歩としてできること
分析でよく使うKPIを1つ決めて、その元になる「分析用テーブル」を1つ作り、テスト+説明文(定義)まで付ける。
例:売上KPIの場合
a. 売上テーブル(売上の定義・期間・粒度)をSQLで変換
b. 欠損や重複の簡易テスト
c. このテーブルは何かを短く記述。
データアナリスト
一言で言うと、数字やデータを見て、ビジネスの意思決定をおこなえる形に整理して伝える仕事。(参考[3])
仕事としてやることの範囲は?
a. 課題を整理
b. 必要なデータを集める/整える
c. 分析
d. 視覚化して共有
e. 次の打ち手を提案
(※会社によって視覚化・報告までの深さは変わりうる)
成果物として作るものの例
・分析レポート(結論・理由・次の提案)
・KPIの定義メモ(どう計算するか:数式・条件・フィルター)
・共有用の視覚化コンテンツ(ダッシュボードやグラフ)
必要なスキル
・必須:
データを整える → 分析する → グラフで見せて説明する
・あると強い: KPIを「ブレない形」で決める力(数式・条件・フィルターまで言葉にする) 定期チェックと、相談対応を回す力
最初の一歩としてできること
KPIを1つ選び、「数式・集計条件・フィルター条件」を1枚に書いて、簡単なグラフ1枚で説明できる状態にする。
データアナリストを目指して実務経験をどう積んでいくかについては、こちらの記事で具体的な方法をまとめています。「最初の一歩」の次に何をすれば良いかのイメージが持ちやすくなります。
データサイエンティスト
一言でいうと、データを使って、ビジネスで使える判断材料や予測を作る仕事。(参考[4])
仕事としてやることの範囲は?
a. 課題を整理
b. 必要データを集める/整える
c. 分析(必要なら予測モデル作成)
d. 結果を説明して、次の打ち手に使える形にする(実行可能な情報)
成果物として作るものの例
・予測モデル/分類モデル
・分析結果のまとめ
・分析に使える形のデータ(集める/整えるの成果)
必要なスキル
・必須:
「課題を言葉にする」+「データを扱う(集める/整える/見る)」+「結果を説明する」
・あると強い:
モデル構築・評価(回して改善する力)
最初の一歩としてできること
「予測を1つ作って、当たった/外れた理由まで説明できる」をゴールにする。
例:
a. 公開データ or 手元データで「来月の売上をざっくり予測」
b. 予測と実績のズレを確認
c. 何を直せば良いか書く(モデル構築・評価が典型タスク)
BIエンジニア
一言で言うと、会社の数字をダッシュボードで「迷わず見られる状態」に整える仕事。(参考[5])
仕事としてやることの範囲は?
a. 見る人・目的を確認
b. 指標や見せ方を決める
c. ダッシュボード/レポートを作る
d. 共有・権限・整理をして運用する
という範囲になりやすいです。
成果物として作るものの例
・ダッシュボード/レポート(意思決定に使える形の画面)
・「信頼できるデータ」の置き場・ルール(例:認証済みデータソース、共通指標の元ネタ)
・(場合によって)データマート(部門/用途向けのデータのまとめ方)
必要なスキル
・必須:
・見る人が理解できる形に整理する力(共有・権限・整理も含む)
・BIツールでレポート/ダッシュボードを作って運用する力
・あると強い:
・遅い・重いをデータ元/ビジュアル設計/環境のどこが原因か切り分けて改善する考え方
・「信頼できるデータ」を再利用できるように定義・権限・運用ルールを整える力
最初の一歩としてできること
「1つの業務テーマで、ダッシュボード1枚を『運用できる状態』まで作る」
例:
a. KPIを1つ決める
b. ダッシュボードを作る
c. 共有先(誰が見るか)を決めて権限設定
d. 「信頼できる元データ」を明示して迷わない状態にする
まとめ
今回の記事では、データエンジニア/アナリティクスエンジニア/データアナリスト/データサイエンティスト/BIエンジニアが「どの成果物に責任を持つか」で整理しました。
どの職種に進みたいかを迷ったら、まず「データを集めたい/整えたい/分析したい/見せたい/回したい」のどれかで目星をつけると良いでしょう。そして、その職種で紹介した成果物を1つ作ってみると、イメージが湧きやすくなります。
肩書きは会社で揺れるので、次に見るべきは「自分がどこまで責任を持つ仕事をしたいか」です。
もし記事の内容に誤りや改善点があれば、私のX(旧Twitter)へご連絡をお願いいたします。
参考サイト
[1] 職業情報提供サイトjob tag データエンジニア (2026年2月1日閲覧)
[2] TECH PLAY モダンなデータ組織に必要不可欠な「アナリティクスエンジニア」とは?(2026年2月1日閲覧)
[3] dotData データドリブン組織の設計図|データアナリストとは?役割とビジネスアナリティクスの本質(連載 第1回)(2026年2月1日閲覧)、BRYCEN ANNOTATION / AI SOLUTION データサイエンティストとデータアナリストの違いとは?仕事内容・スキル・キャリアパスを徹底比較(2026年2月1日閲覧)
[4] DOORS DX Media BY BrainPad 【現役社員が解説】データサイエンティストとは?仕事内容やAI・DX時代に必要なスキル(2026年2月1日閲覧)、 職業情報提供サイトjob tag データサイエンティスト(2026年2月1日閲覧)
[5] パーソル クロステクノロジー BIエンジニアとは?ビジネスインテリジェンスの意味や仕事内容を解説!(2026年2月1日閲覧)