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データアナリスト未経験でも今の仕事で実務経験を積む方法

データアナリストの仕事に興味はあるものの、「実務経験がない/データアナリスト未経験だから」「今の仕事では関係する経験を積めない」と感じて、動けなくなってしまう人がいると思います。

たしかに、最初からデータアナリストという肩書きで働いていなければ、不利に見える場面はあります。ですが私は、未経験の段階では肩書きそのものよりも、数字を見て仕事を進めた経験の方が次につながりやすいと考えています。

今の仕事の中に、売上、件数、問い合わせ数、広告の反応、施策の結果など、何らかの数字があるなら、実務経験として使える材料は、すでにあります。大事なのは、数字を集めて、整理し、比べ、気づきを出し、次の動きにつなげることです。

この記事では、未経験からデータアナリストを目指す人に向けて、今の仕事の中でどのように実務経験を作れるのかを、私の考えとして整理します。最初から職種を変えることだけを考えるのではなく、まずは現職の中で数字に関わる役割を増やす方が、未経験の人にとっては取り組みやすい場合が多いと思います。

なお、ChatGPTやClaudeなどのAIが普及したことで、「データ分析はAIに任せればいい」という声も増えてきました。ですが私の考えでは、AIが出したアウトプットを正しく読み取り、判断につなげるのは人間の役割です。この点については記事の中で改めて触れます。


未経験者に必要なのは「数字に関わった経験」

実務経験は、肩書きがなくても作れる

未経験からデータアナリストを目指すとき、最初に思い込みがちなのが、「データアナリストとして働いたことがないなら、自分には実務経験がない」という考え方です。ですが、ここで肩書きだけを基準にすると、必要以上に自分を不利に見積もることになります。

私は、データアナリストの仕事を大まかに分けると、数字を集める、整理する、比べる、変化に気づく、理由を考える流れだと捉えています。こうした流れのどこかを実務の中で担っていれば、それはすでに数字を使って仕事を進めている状態です。

たとえば、毎週の売上や問い合わせ件数をまとめる仕事があります。それ自体は、ただの集計作業に見えるかもしれません。ですが、そこで「どこが増えたのか」「どこが落ちたのか」「先週との違いは何か」といった見方が入ると、単なる集計ではなく、変化を説明する仕事に変わります。単に数字を並べているのではなく、数字を使って状況を把握しようとしているからです。

未経験の段階では、数字の並びから変化や偏りなどを押さえ、仕事を前に進めた経験の方が実務経験として説明しやすいと私は考えています。

「作業」で終わる経験と「実務経験」になる経験の違い

実績として残すなら、最低限次の4つが分かれば十分です。

  • 何の数字を見たか

  • どう並べたか

  • そこから何を見つけたか

  • その結果、何を変えたか

これらがつながると、数字をもとに仕事を進めた経験として説明しやすくなります。

たとえば、次の違いです。

弱い例

強い例

毎週の数字をまとめていた

毎週の数字を整理し、前週との差を見て、気になる変化を報告していた

資料を作っていた

数字が見やすい形に整理された資料を作り、変化の理由を考える材料にしていた

Excelを使っていた

Excelで数字を集計し、商品別や月別に比較して傾向を見ていた

SQLやPythonを使っていなくても、数字を整理し、比較し、気づきを出しているなら、最初の実務として人に説明できる経験にはなります。もちろん、SQLやPythonを学ぶことで扱えるデータの幅は広がりますし、求人によってはこれらのスキルを必須としている場合もあります。ただ、未経験の段階でそこから始める必要はなく、まずは今の仕事の中で数字を使って判断する経験を積むことが先だと私は考えています。

未経験の人が最初から目指すべきなのは、判断につながる仕事に少しずつ変えていくことです。それが、後で説明できる実務経験になります。


今の仕事の中で、どこを切り出せば経験になるのか

経験になりやすい仕事の見つけ方

見るべきなのは、今の業務の中に数字を使って状況を整理したり、比較したり、次に試す施策を決めたりする場面があるかです。そうした場面が見つかれば、経験の入口として整理しやすくなります。

探すときは、次の順番で考えると分かりやすいです。

  1. 日常業務の中に数字が出てくる場面を探す
    売上、件数、問い合わせ数、広告の反応、進捗率、作業時間など、仕事の中には何かしらの数字があることが多いです。まずはそこを見つけます。

  2. その数字が比べられるかを考える
    前月と今月、施策Aと施策B、担当者ごと、商品ごとなど、何かしらの切り口で比べられる数字は経験につながりやすいです。比べられない数字は、ただの報告となってしまうからです。

  3. 比べた結果から、気づきが出せるかを見る
    増えた、減った、偏っている、思ったより差がある、といった変化を見つけて共有までできる仕事は、実務経験として説明しやすいです。これをすることで、数字を「使っている」状態になります。

  4. その気づきを次の動きにつなげられるかを考える
    たとえば、報告内容を変える、優先順位を見直す、施策の方向を修正するなど、次の判断につながるなら、それは実務経験として話しやすくなります。

経験として整理できる仕事にはいくつか共通点があると考えています。

  • 数字を扱っている

  • 前後や種類ごとに比較できる

  • 変化や偏りに気づける

  • 次の判断や改善につなげる

逆に、「毎回同じ数字を出して終わり」「見ているだけで何も変わらない」という仕事は、そのままだと経験として弱いです。ただし、それでも見せ方はあります。たとえば、同じ定例集計でも、見やすく整理したり、変化が分かるように並べ替えたりすれば、ただの作業から一歩前に進みます。

まずは、すでに触れている数字を報告のための数字だけで終わらせず、判断のための数字として見ていくことが大事です。

今の仕事で経験を作るために、最初の1か月でやること

ここまで読むと、「考え方は分かったけれど、実際には何から始めればいいのか」と感じる人もいると思います。そこで、今の仕事の中で経験を作り始めるために、最初の1か月でやることを、できるだけ小さく整理します。

最初から大きな分析をしようとする必要はありません。むしろ、無理なく続けられる形にした方が、経験として残りやすいです。大事なのは、数字を見る習慣を作り、そこから気づきと共有までつなげることです。

始め方としては、次の5つで十分です。

  1. 週1回触る数字を1つ決める
    まずは、売上、件数、問い合わせ数、広告の反応など、今の仕事の中ですでに見られる数字を1つだけ選びます。最初から複数の数字を追うと、続かなくなりやすいです。

  2. 前週比か前月比を必ず入れる
    数字は、単体で見ても意味が出にくいです。前週や前月と比べる形にすると、増えたのか減ったのかが見えやすくなります。まずは比べる習慣を作ることが大事です。

  3. 差が大きかった項目を1つだけメモする
    数字を見たら、それで終わりにせず、「どこが一番変わったか」だけを書き残します。ここでは理由を完璧に分析しなくても構いません。まずは変化に気づくことが先です。

  4. 会議や報告で1回だけ共有する
    小さくてもよいので、その気づきを一度だけ誰かに共有します。数字を見て、仕事の中で使うところまで持っていくことで、ただの確認作業ではなくなります。

  5. 翌週も同じ型で続ける
    1回やって終わりではなく、同じ数字を、同じ見方で、翌週も見てみます。続けることで、自分なりの比較の軸や、見落としやすいポイントも見えてきます。

この5つは、特別なツールや高度なスキルがなくても始めやすいと思います。最初の段階では、数字を見て、比べて、気づきを残し、共有する流れを作ることが重要です。

AIツールを活用するという選択肢について

なお、先ほどの2〜3のステップについては、今はAIツール(ChatGPTやClaudeなど)にExcelやCSVのデータを渡して「前週との差が大きい項目を教えて」と指示することで、比較や気づきの抽出を補助してもらうことも選択肢のひとつです。

AIを使って作業を効率化することは、それ自体が悪いわけではありません。ただし私の考えでは、AIが出した結果を自分の言葉で説明できなければ、実務経験として積み上がっていきません。何の数字を見るかを自分で決め、結果を自分で解釈し、共有まで行う、という流れを自分のものにすることが、AIを使う・使わないに関わらず大切だと思っています。

そのうえで、自分の職種ごとにどんな数字を見やすいかを考えると、取り組みやすくなります。たとえば営業、マーケティング、企画、事務・管理系では、経験につながりやすい数字の種類が少しずつ違います。

職種別に見ると、こんな仕事が経験につながる

では、その5つの動きを自分の仕事の中でどう当てはめればよいのでしょうか。ここでは、職種ごとにどんな仕事が経験につながりやすいのかを整理します。自分の仕事に近いところから読んでみてください。

営業

  • 案件数や商談数をまとめる

  • 受注率を担当別や商材別に比べる

  • 失注理由を分類して傾向を見る

  • どの段階で落ちやすいかを整理する

営業の仕事は、数字との距離がもともと近いです。件数や売上を追っているだけでも、経験の土台にはなります。そこに「どこで差が出ているのか」「何が結果に影響していそうか」という視点が入ると、その経験を比較や分析の経験として話しやすくなります。

マーケティング

  • 記事ごとの流入数やクリック数を見る

  • 広告やSNSごとの反応を比べる

  • 問い合わせ数やCV(コンバージョン)の差を確認する

  • 流入はあるのに成果につながらない箇所を探す

マーケティングでは、数字を見る機会が比較的多い仕事です。そこからさらに、「どの施策が効いたのか」「どこで落ちているのか」まで整理できると、単なるレポートではなくなります。

企画

  • 施策の前後で数字がどう変わったかを見る

  • 仮説と結果のズレを確認する

  • 企画ごとの反応差を整理する

  • 次回の改善点を数字ベースで考える

企画職は、数字を直接扱っていないようでいて、実はかなり相性が良いです。施策を打ったあとに何が変わったかを見られるなら、それだけで職務経歴書や面接で説明できる材料になります。

事務・管理系

  • 毎月の定例集計を見やすく整える

  • 問い合わせ内容を分類して傾向を見る

  • 報告フォーマットをそろえる

  • 手作業が多い集計を整理し、比較しやすくする

事務・管理系の仕事は、数字や情報を扱える形に整える仕事であり、分析や可視化の土台そのものです。この部分を丁寧に積み上げた方が、後で集計改善やレポート整理の仕事を任されやすくなります。また、「集計して終わり」ではなく、「集計結果から何が読み取れるか」を考えて共有できるようになると、経験としてより説明しやすくなります。

「自分の仕事は分析と関係がないから無理」と決めつけず、今の業務の中にある数字をどう扱うと実務経験に近づけるかを考えましょう。自分の仕事の中に、集める、整理する、比べる、気づく、つなげるの流れを入れられる場所を見つけられれば、経験ゼロではなくなります。


経験を「やったこと」で終わらせず、実績に変える

実績として残すときに必要な4つの視点

今の仕事の中で、数字に関わる場面を見つけられたら、実績として残す必要があります。その時に、少なくとも次の4つで整理すると説明しやすいと思います。

  • 何の数字を見たのか
    まず必要なのは、対象をはっきりさせることです。売上なのか、問い合わせ数なのか、案件数なのか、広告の反応なのか。ここが曖昧だと、何を扱っていたのかが伝わりません。

  • どう整理・可視化したのか
    数字をそのまま見ていたのか、それとも商品別、月別、担当別などに分けて比較できる形にしたのか。この違いで、ただ触れたのか、仕事で使える形に整えたのかが分かれます。

  • 何に気づいたのか
    前週より落ちていた、特定の施策だけ反応が弱かった、担当ごとの差が大きかった。こうした気づきがあると、意味を読み取っていたことが伝わります。

  • どんな提案や改善につなげたのか
    最後に必要なのは、その気づきをどう仕事につなげたかです。報告内容を変えたのか、確認する項目を増やしたのか、見直すべき点を共有したのか。小さくても、次の動きに結びついていれば実績として話しやすくなります。

この4つは、何をしていたのかを正しく伝えるための整理の仕方です。未経験のうちは、自分が数字をどう扱い、どう考え、どう仕事につなげたのかを説明できる方が大事です。

小さな仕事でも、説明できる形にすると実績になる

未経験の人ほど、「こんな小さな仕事では実績にならないのでは」と考えがちです。ですが、小さな仕事でも、後から説明できる形で残しておくことが大事です。

たとえば、「毎週の売上をまとめていた」という経験があるとします。このままだと、やったことは伝わっても、どこに実務経験らしさがあるのかは見えにくいです。「商品別に分けて前週との差を出していた」まで言えると、見え方が変わります。

このように言えるようにするために、先ほどの4つの視点で整理してみます。

  • 何の数字を見たのか
    毎週の売上

  • どう整理・可視化したのか
    商品別に分けて、前週との差が分かるように整理した

  • 何に気づいたのか
    特定カテゴリの落ち込みが大きい週があることに気づいた

  • どんな提案や改善につなげたのか
    落ち込みが目立つカテゴリを共有し、見直しの材料にした

このように整理すると、同じ仕事でも見え方が変わります。単に数字をまとめたのではなく、比較し、変化を見つけ、次の判断につながる形で扱っていたことが伝わるからです。

実際にやったことを、対象、整理、気づき、改善という流れで残しておく方が、後で振り返ったときにも有効なものになりやすいです。

こうした積み上げがあると、社内でも数字に関わる仕事を任されやすくなる可能性があります。将来的に社内異動や転職を考える場面でも、「何をしてきたか」を説明しやすくなります。だからこそ、今の仕事の中で作った小さな経験を、その場限りで終わらせず、説明できる形で残しておくことに意味があります。


まとめ

未経験からデータアナリストを目指すとき、今の仕事の中で数字に関わる責任を少しずつ増やしていくことが、次の一歩として現実的だと思います。

大事なのは、その数字を整理し、比べ、気づきを出し、次の判断や改善につなげることです。そこまでつなげられれば、今の仕事の中でも、分析・集計・可視化・改善提案の経験として説明しやすくなります。

まず考えたいのは、転職できるかどうかではなく、今の業務のどこを切り出せば、数字を見て判断する経験に変えられるかです。そうして作った小さな経験を、やったことだけで終わらせず、整理し、説明できる形で残していくことが、未経験から次につながる実務経験になります。

AIが分析の補助をできるようになった今、「どのツールを使えるか」よりも「数字から何を読み取り、次の動きにつなげられるか」という力の方が、長く使える土台になると私は考えています。SQLやPythonといったスキルは、経験を積む中で必要になった際に学ぶことができます。まずは今の仕事の中で、数字を見て判断する経験を少しずつ作っていくことが、未経験からの現実的な一歩だと思います。

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minoRi

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