
ChatGPTを使うと、調べものの出だしはかなり楽になります。知らない言葉の意味を聞いたり、比較する視点を出してもらったりできるため、検索する前に頭の中を整えやすいからです。
ただし、ここで問題になるのは、出力内容が間違っている可能性に気づかないまま、重要な情報を使ってしまうことです。
大事なのは、ChatGPTに答えを決めてもらうのではなく、調べる前の整理に使うことです。ChatGPTで全体像をつかみ、検索で情報源を探し、最後は公式サイトや一次情報で確認する。
この記事では、ChatGPTを下調べとして使い、最後に一次情報で確認するための見方を整理します。
ChatGPTは「答えを確定する道具」ではなく「下調べ」に使う
ChatGPTは、調べものを始める前に、考えを整理するために便利です。いきなり検索結果を一つずつ読む前に、先にChatGPTで全体像をつかむと、「何を調べればよいのか」が見えてきます。
ChatGPTに任せやすいこと
例えば、次のような作業です。
知らないテーマの全体像をつかむ
質問例:「ファクトチェックとは何かを、初心者にも分かるように大まかに説明して」関連する用語を整理する
質問例:「ファクトチェック、一次情報、公式情報、出典の違いを簡単に整理して」どの観点で調べるべきか洗い出す
質問例:「ChatGPTの回答を確認するとき、どんな観点でチェックすればよいかをリストにして」比較表などを作る
質問例:「ChatGPTとGoogle検索の違いを比較表にして」公式情報を見る前に、確認ポイントを整理する
質問例:「料金プランを公式サイトで確認するとき、どの項目を見ればよいか教えて」
ChatGPTにうまく質問するコツは、別記事の「ChatGPTの使い方のコツ―回答の精度を上げる方法」でも紹介しています。良ければ、併せて読んでみてください。
ただし、ChatGPTが出した答えを、そのまま最終的な事実として扱うと、誤りがあった場合に気づくことができません。OpenAIのヘルプページでも、ChatGPTは誤った回答や誤解を招く回答を生成することがある、と説明されています。(参考:OpenAI ヘルプ ChatGPTは真実を話しますか?)
そのため、ChatGPTは「答えを決める道具」というより、調べる前の準備に使う方が安全です。たとえば、「ChatGPTとGoogle検索の違い」を調べたい場合、まずChatGPTに違いをざっくりまとめてもらいます。そのうえで、「どの点を公式情報で確認すべきか」「どんなページを見ればよいか」を考える材料にします。
調査を始める前に、確認すべきポイントを整理する道具として、ChatGPTを使いましょう。そうすると、ChatGPTの便利さを活かしながら、間違った情報をそのまま使うリスクも減らせます。
ChatGPTに任せきりにすると危ない情報がある
ChatGPTから得た情報の中で、特に注意したいのは、間違っていたときに影響が大きい情報です。
ChatGPTだけで確定しない方がよい情報
料金・プラン
サービスの仕様
イベントの日程
試験や資格の情報
法律・制度に関する内容
数値データ
引用・参考文献
医療・金融など、間違うと影響が大きい情報
こうした情報は、改定などによって古くなっていたり、条件によって内容が変わったりすることがあります。
たとえば、あるサービスの料金を調べるとします。ChatGPTが料金を教えてくれたとしても、その情報が現在も正しいとは限りません。料金プランは変更されたり、キャンペーンや契約条件によって変わったりします。
「間違っていたら困る情報」は元ページで確認する
ここでのポイントは、間違っていたら困る情報は、ChatGPTだけで確定しないという考え方です。
OpenAIのヘルプページでも、引用、データ、技術情報、外部文書への参照は必ず検証すること、正確性が重要な場合はリンクを直接開いて出典を確認することが案内されています。(参考:OpenAI ChatGPTは真実を話しますか?)
ChatGPTは、確認すべき情報を見つけるところまでは使えます。ただし、その情報が本当に正しいかを確定する作業までは、使う側が行う必要があります。
ファクトチェックでは「どこに書かれているか」まで確認する
ファクトチェックというと大げさに聞こえますが、最初に見る場所はシンプルです。「その情報が、どのページのどの部分に書かれているか」です。
この記事では、ファクトチェックを「ChatGPTから得た情報が、信頼できる根拠と一致しているか確認すること」という意味で使います。日本ファクトチェックセンターでも、ファクトチェックは「事実の検証」と説明されています。(参考:Japan Fact check Center ファクトチェックとは 定義・ルール・手法を解説)
また、内閣官房の「偽情報にだまされないために」では、情報源を確認すること、根拠が示されているかを見ること、他の人やメディアがどのように発信しているかを確認することが紹介されています。(参考:内閣官房 偽情報にだまされないために)
ファクトチェックで見るポイント
ChatGPTを使った調べものでも、見るべきポイントは同じです。
その情報は公式サイトに書かれているか
ページの公開日・更新日は古すぎないか
数値、日付、料金、条件は元ページと一致しているか
ChatGPTが示した出典は実在するか
出典ページの内容と、ChatGPTの説明がずれていないか
公式サイトや一次情報となるページで同じ内容を確認できるか
特に大事なのは、「出典があるか」だけで止まらないことです。ファクトチェックでは「その出典の中に、AI回答と同じ内容が本当に書かれているか」まで見る必要があります。たとえば、ChatGPTの回答にある料金・日付・条件などを、元ページの該当箇所と1つずつ照らし合わせます。

仕事などで使う情報であれば、確認してから使う方が安全です。間違った情報を出してしまうと、あとから修正するだけでなく、相手からの信頼も下がってしまいます。
誰が発信している情報か、いつ出た情報か、根拠はあるか、元ページと内容が合っているか。まずはこれらを確認するところから始めるだけでも、ChatGPTの回答を安心して使えるようになります。
ChatGPTとGoogle検索は役割を分けて使う
ChatGPTとGoogle検索は、どちらか一方を選ぶものではありません。 それぞれ得意な役割が違います。
使うもの | 役割 | 向いていること |
|---|---|---|
ChatGPT | 調べる観点を整理する | 概要をつかむ、確認項目を出す、比較する軸を考える |
Google検索 | 情報源を探す ※検索結果の見出しや要約だけで判断しない | 公式ページ、ニュース、ヘルプページを探す |
検索機能付きのChatGPT | 回答と一緒に参照元を確認する | 概要を見ながら関連ページを探す |
公式サイト・一次情報 | 事実を確認する | 料金、日程、仕様、制度、数値の確認 |
ChatGPTは、調べる観点を整理するのに向いている一方で、Google検索は、実際のページや公式情報を探すために使えます。
Google検索は「情報源を探すための道具」と考える方が正確です。検索結果に表示された情報も、ページを開いて中身を確認する必要があります。
また、ChatGPTの検索機能を使うと、回答内に参照元が表示される場合があります。OpenAIのヘルプページでも、検索を使用したChatGPTの回答には引用が含まれる場合があり、クリックすると参照元を確認できると説明されています。(参考:OpenAIヘルプ ChatGPT Search)
ただし、表示された参照元も、そのまま正しい根拠として扱うのは避けた方がよいです。前のセクションでも書いた通り、ファクトチェックをする必要があります。
使い分けるなら、次の流れで使ってみてください。
ChatGPTで、調べる観点を整理する
Google検索や、検索機能付きのChatGPTで情報源を探す
公式サイトや一次情報を開いて、内容が本当に正しいか確認する
ChatGPTは、調べものを速くしてくれる道具です。ただし、最後に事実を確定するのは、元の情報源です。「ChatGPTで整理し、検索で探し、一次情報で確認する」、この役割分担を意識すると、ChatGPTの回答をそのまま事実扱いするミスを減らせます。
まとめ
ChatGPTは、下調べに便利な道具です。
しかし、ChatGPTの回答だけで事実として扱うのは避けた方がよいです。特に、料金、日程、制度、仕様、数値、引用、参考文献のように、間違っていたら困る情報は、公式サイトや一次情報に戻って確認する必要があります。
ファクトチェックで見るべきなのは、「その情報がどこに書かれているか」です。出典がある場合も、リンク先を開き、本文とChatGPTの出力が合っているかを確認することが大切です。
元ページを開く
日付・料金・条件など正確な情報が欲しい箇所を見る
本文と回答が一致しているか確認する
ChatGPTの回答を使う時には、以上のような手順でチェックを進めてみてください。