keyboard_arrow_up
ホームツール

生成AIへの質問がうまくいかない時のプロ...

生成AIへの質問がうまくいかない時のプロンプト見直し方

ツール

公開日 2026/8/23

TableauやLooker Studio、Google Analytics 4(GA4)などのツールを使っている中で分からないことがあると、ChatGPTに質問することがよくあります。ただ、質問すればいつも解決できるとは限らず、似たような回答をもらってはうまくいかない、というやり取りを繰り返していた時期がありました。

その後、質問の仕方そのものよりも、ChatGPTに何を伝えるかを見直したことで、少しずつ解決に近づきやすくなっていきました。

この記事では、色々なツールを使う中での実体験をもとに、ChatGPTとのやり取りが行き詰まったときに何を見直したかをまとめます。読み終えたときには、AIと一緒に問題を切り分けていくための、ちょっとした糸口を見つけていただけたら幸いです。

日常的な使い方の基本については「ChatGPTの使い方のコツ―回答の精度を上げる方法」でも紹介しています。良ければ読んでみてください。


ツールの使い方をChatGPTに聞いても、なかなか解決できなかった

まずは、私が実際につまずいた場面を振り返ってみます。

事例1:Looker Studioでのダッシュボード制作

Looker StudioでKPIダッシュボードを作っていたときのことです。実現したい表示があり、その方法をChatGPTに質問しました。回答された手順や計算フィールドの式をそのまま試してみたのですが、うまく反映されませんでした。

そこで「この式は無効になります」と伝えると、別の式を提案してもらえます。試してみましたが、またうまくいきません。「これも無効でした」と伝えると、また別の案が返ってきます。試してみても、やはりうまくいきません。

「質問する→回答をもらう→試す→できない→また別案を聞く」というループにはまり込んでいました。何往復もやり取りを重ねているのに、一向にゴールに近づいている感覚がありませんでした。

事例2:GA4の操作について

GA4とClaudeの連携方法などを調べる中で、GA4側の操作についてChatGPTに質問する場面もありました。

ここでも似たようなことが起きました。説明された項目が、自分が見ている画面のどこにも見当たらないのです。ChatGPTが案内してくれる操作と、実際の画面が一致しません。後々、UIや仕様の違いによって、話がどうにも噛み合っていないことが分かりました。

こうした経験を重ねる中で、当時の私は「別の解決方法を聞けば、そのうち解決できるはずだ」と考えて質問を繰り返していました。ですが今振り返ると、新しい解決策を求める前に、そもそもChatGPTが私の状況を正しく把握できているかどうかを、一度確認する必要があったのだと思います。


質問内容ではなく「渡す情報」を変えてみた

同じようなすれ違いを何度も経験する中で、私は「ChatGPTに何を伝えているか」を見直すようになりました。私が試行錯誤の中で、実際に変えていったことは次のとおりです。

  • 最終的な目的・ゴールを伝える:以前は「〇〇の設定方法」だけを聞いていましたが、今は「最終的には〇〇という表示にしたい」というゴールを先に伝えるようにしています(これは後述する「XY問題」にもつながります)。

  • 実際の画面をスクリーンショットで見せる:文章だけでは「そのボタンがありません」としか言えなかったのが、画面を渡すことで今の表示や設定状態を正確に共有できるようになりました。

  • 必要ならデータも渡す:エラーが出ているときは、フィールド名やデータ型、実際の式、サンプルデータ、エラー内容も一緒に見せるようにしました。
    ※機密情報や個人情報を含むデータはAIにそのまま渡さないことが前提です。ダミーの値に置き換えたり、必要な部分だけを抜き出したりした上で共有してください。

  • 現在の状況と、すでに試したことを書く:今どうなっているか、何を試して、どうなったかまで共有するようにしました。やり取りの回数や既に試した方法を提案されることが減りました。

  • 「最新のUI・仕様を確認して」と伝える:GA4のようなUIや仕様が更新されるツールには、この一言を加えるようになりました。必ず最新の情報が返ってくるわけではありませんが、古い仕様を前提にした回答との食い違いを減らす上で役立った実感があります。

スクリーンショットやデータは、いわば「現在地」を伝えるものです。一方で、目的やゴールは「行き先」を伝えるものです。この両方を共有することが重要でした。

質問文そのものを上手にするというより、ChatGPTと共有する情報を増やすことで、私は解決に近づきやすくなりました。特に「何を実現したいのか」と「今どうなっているのか」の両方を伝えることを、意識するようになりました。

なお、AIに共有する情報を増やすときは、その情報をAIに入力して問題ないかも確認する必要があります。仕事で生成AIを使う際の情報の扱いや判断基準については「仕事で生成AIを安全に活用する判断基準 ― 具体例付き」でまとめています。


なぜ情報を増やすと解決しやすくなったのか

私自身は、今見ている画面、存在するボタン、現在の設定、エラーの内容、元データ、そして最終的に作りたいものを、当然すべて知っています。しかし、それをChatGPTに伝えていなければ、その情報はChatGPT側には共有されていません。当たり前のことですが、行き詰まっていたときの私には、ここが抜け落ちていました。

スクリーンショット・データ・目的・現在の状況・試したこと、これらを渡すようになったことで、自分とChatGPTが持っている情報の差を、少しずつ小さくできたと考えています。

実際に質問時の情報を増やしてからは、行き詰まっていた問題が解決する場面が増えました。

やり取りの往復回数が減ったり、解決までの時間が短くなったりしたと感じることも増えました。これは時間を計測して比較したわけではありません。「短くなった」「解決しやすくなった」という、あくまで私自身の体感の話です。

質問を工夫する目的は、ChatGPTに上手な指示を出すことではなく、問題を判断するために必要な情報を共有することでした。


解決策だけを質問すると「XY問題」のようなすれ違いが起きる可能性も

今までの自分の質問を振り返ると、本当にやりたいことを伝えないまま、自分で考えた解決方法だけをChatGPTに質問していた場面もありました。

XY問題とは

こうした状況に近い考え方として、「XY問題」というものがあります。(参照:XY問題 - Wikipedia

XY問題の基本的な構造は、次のような流れです。

  1. 本当に解決したい問題(X)があります

  2. 自分の中で「Yをすれば、Xを解決できそうだ」と推測します

  3. 「Yを実現する方法」だけを質問します

  4. 回答する側も、素直にYを実現しようとします

  5. しかし実は、Yを実現してもXを解決できません

  6. 結果として、本当の問題Xはいつまでも解決しません

質問された側は、あくまで「Yの実現方法」を聞かれているので、それに答えようとします。けれど、そもそもYを実現してもXは解決しないので、いくらYについてのやり取りを重ねても、本来の目的にはたどり着けない、という構造です。

ChatGPTとのやり取りでも、これと似たことが起きやすいと思います。最終的な目的を伝えずに、自分で考えた解決策だけを質問すれば、このようなすれ違いが起こる可能性があります。

解決方法を自分で決めてから質問するよりも、「最終的に何をしたいのか」を先に伝えることで、別の解決方法も含めて一緒に考えやすくなります。


今はChatGPTにこう質問している

こうした試行錯誤を経て、今は次の5つの要素を意識して質問文を組み立てています。

1. 目的・ゴール:最終的に何を実現したいのか、何のためにそれを実現したいのかを伝えます。ここを先に共有しておくことで、私が思いついた方法以外の選択肢も含めて考えてもらいやすくなります。

2. 前提情報:使用しているツール、関係するデータ、必要な環境情報、必要であればバージョンを伝えます。何について質問しているのかをはっきりさせておくためです。

3. 現在の状況:今何が起きているのか、エラー内容、実際の画面のスクリーンショット、必要なデータなどを伝えます。

4. 試したこと:何を操作したか、どんな式を試したか、その結果どうなったかを伝えます。ここを共有しておくと、同じ堂々巡りを避けられます。

5. 質問:最後に、今何を知りたいのかを具体的に書きます。必要であれば、「現在のUI・仕様を確認した上で回答して欲しい」という一文も添えます。

Before / Afterのイメージ

言葉だけだと分かりにくいので、簡略化した質問文のBefore・Afterのイメージを載せておきます(実際のやり取りをそのまま書き起こしたものではなく、内容をわかりやすく再構成したものです)。

Beforeのイメージ

Looker Studioで〇〇する方法を教えてください。

Afterのイメージ(さっきの5つポイントを、実際には以下のように3つにまとめて書くことが多いです)

目的:
Looker Studioで〇〇という表示を実現したいです。

前提情報:
Looker Studioのyyyy/mm/dd時点の最新バージョン(Ver xx.yy)で、ダッシュボードを作っています。
現在は△△という状態です。□□を試しましたが、××となりました。
(実際の画面のスクリーンショット・データを添付)

回答して欲しいこと:
最新の仕様を確認した上で、〇〇を実現する方法を考えてください。

これは私がよく使う型ですが、文章の型そのものが重要なのではなく、問題解決に必要な情報をきちんと共有することが重要だ、ということです。

私自身、毎回この形式をすべて埋めて質問しているわけではありません。簡単な質問であれば、短く聞くことも多くあります。ただ、質問しても解決に向かっていなさそうと思った時には、「目的・現在の状況・試したこと」がきちんと伝えられているか、を確認するようにしています。


まとめ

ツールの操作についてChatGPTに質問しても、解決しない経験が何度もありました。そこで、スクリーンショットやデータ、目的、現在の状況などを共有するようにしたところ、私の場合は問題を解決しやすくなったと感じています。

振り返ってみると、解決策だけを質問することで、XY問題に近いすれ違いが起きていた可能性もありました。今は、「何をしたいのか・今どうなっているのか・何を試したのか」を意識して伝えるようにしています。

ChatGPTへの質問では、うまいプロンプトを書くことよりも、AIが問題を正しく把握できるだけの情報を渡すことのほうが重要だったというのが、私の実感です。

自分が持っている情報や状況を共有することで、ChatGPTが「答えを出してくれるもの」としてだけでなく、「問題を一緒に切り分けてくれるもの」として使いやすくなりました。

ChatGPTは必ず正しい答えを返してくれるとは限りません。ただ、伝える情報を見直すことで、詰まりが解消することがあると思います。もし今、ChatGPTとのやり取りが何度も同じところで止まっているとしたら、自分が渡している情報を見直してみることをおすすめします。

著者

名前:minoRi

Tableau Certified Data Analyst(2025年4月取得)。
TableauやGA4などを使ったデータ分析・可視化に取り組みながら、生成AIも日々の調査や問題解決に活用しています。業務や学習の中ではChatGPTなどの生成AIも活用しており、この記事ではツールについて質問する中で実際に経験したことをまとめました。

この記事をシェアする

minoRi

データをわかりやすく伝えるお手伝いをしています📈
Tableau Certified Data Analyst(2025年4月取得)

ホームツール

生成AIへの質問がうまくいかない時のプロ...